【食器の種類と素材一覧】こんなに豊富!人生を彩る器の世界

食器にはいろいろな種類があることをご存じでしょうか。陶器、半磁器、磁器、銅食器、銀食器、その他、素材の種類と特徴は大変バラエティーに富んでいます。数々の食器の素材などは、日常はほとんど意識しないで使用していますが、食器の種類や素材に関しての少しの知識があるだけで、わたしたちの生活の質の向上に役立つかもしれません。では、そんな食器の種類と素材に注目して、お手入れと保管方法などをご紹介しましょう。

陶器

まず、陶器と言われる種類があります。陶器は焼き物ですが、900度から1200度の高温で焼成されています。陶器は、その土の吸水性が高いため、ソースや醤油、食べ物の水分や油分を簡単に吸い取って汚れてしまう傾向があります。それで、そのような陶器に関しては、はじめて使う前にたっぷりのお水に半日から一日くらい浸して、水分をふき取ってから使用すると、汚れにくくなります。手入れは柔らかいスポンジと中性洗剤で洗えば大丈夫です。戸棚にしまう際には、しっかりと乾燥させてから収納するようにしてください。陶器には茶渋などがついてしまうことがあります。これは、重曹水に半日から一日つけておき、乾燥してから収納してください。基本的に電子レンジ、食器洗浄機、オーブンには使用できません。

半磁器

半磁器は、質感は陶土と陶石の両方の性質を併せ持ったもので炻器とも呼ばれています。この半磁器は1200度前後の高温で焼成され、吸水性と経年変化が生じやすい性質を持っています。吸水性があるためそのまま使用すると醤油や、食べ物の水分、油分を吸い取ることになるので、陶器と同じ注意が必要です。この半磁器は電子レンジ対応ですが、銀彩、金彩など金属で上絵付けをしているものは電子レンジでは使用できません。また、半磁器は陶器同様、食器洗浄機、オーブンでは使用できません。

磁器は陶器とはことなり、陶石と呼ばれる独特の原料から作られています。焼成温度は1300度から1400度の非常な高温です。陶器、半磁器とは異なり、磁器は、吸水性が少なく、取り扱いの簡単な食器が多く存在します。使い始める前も、中性洗剤とスポンジで軽く荒らせば、すぐに使用可能です。手入れ非常に楽で、中性洗剤で洗うことだけです。しかし、長期間戸棚にしまうとき、しっかりと乾燥させて収納することは大切です。茶渋などは食器用漂白剤とお湯できれいに洗い流すことができます。金彩、銀彩、色絵がついているもの色落ちする可能性がありますので、漂白剤の使用は避けたほうが無難でしょう。磁器は、電子レンジ、食器洗浄機に使用可能です。金彩、銀彩のものは問題を生じさせるケースがありますので、注意が必要です。また、通常は耐熱ではありませんので、オーブンでの使用はできません。

漆器

漆による塗装が施された漆器は、日常使いでは、特別なお手入れが要らない優れた食器です。しかし、乾燥させることは漆器にとって品質にトラブルを生じさせる可能性がありますので、注意が必要です。塗りたての漆器は、漆のにおいが残っていることもありますから、そのような場合は日当たりのない風通しのよい場所に2週間程度保管しておけば、漆のにおいをすぐに消したい場合は、酢を含ませた布で拭き、ぬるま湯で洗ってください。また、極端に熱いものを入れないようにしましょう。漆が白く変色してしまうことがあります。そして、漆器の使用後は、中性洗剤で洗いましょう。油汚れがなければ、お湯や水で洗っても簡単に汚れが落ちます。

洗ったあとは水気を拭き取って保管しましょう。でも保管方法に注意してください。急激な乾燥や温度変化を避けましょう。また、日光などで紫外線を浴びると素材の木や塗膜を痛める原因となりますので、これも注意が必要です。とくに長期間使わない場合は、直射日光を避け、風通しのよいところに保管してください。また、漆器は傷がつきやすいので、他の陶器や磁器などを重ねないようにしましょう。電子レンジ、食器洗浄機、オーブンは使用することができません。

木製の食器

自然の素材そのままに温かみを感じさせる木製の食器は、食卓をオーガニックな雰囲気に変えてくれます。塗料には漆やウレタンが使われますので、そのにおいが気になる場合は、日の当たらない風通しのよい場所に2週間ほど置きますと消すことができます。使用後は、スポンジと中性洗剤で洗い、柔らかい布で水気を拭き取ってください。また、保管するときには、急激な乾燥や温度変化、紫外線を避けて、風通しのよいところに保管してください。オイルでフィニッシュした木の器の場合、使っていくうちに木の油分が不足することがあります。その場合は、エゴマ油やあまに油を布で薄く塗るとよいでしょう。エゴマ油やあまに油がない場合は、オリーブオイルでも代用することができます。電子レンジ、食器洗浄機、オーブンは使用できません。

ガラス食器

光を反射し、また、透過して美しく輝くガラスの食器は、魅力的な器素材ですが、使い始めるときは、必ず中性洗剤とスポンジでよく洗ってから使用します。うすいグラスは過度に力を入れて洗うと破損しますので、注意が必要です。また、水分中のカルシウムが沈着して、ガラス面に白い汚れを残すことがありますので、よく水気を拭き取って保管してください。耐熱表示のないガラス食器は電子レンジでの使用は避けてください。また、食器洗浄機やオーブンは、基本的に使用できません。

錫器

錫は軟質の金属ですが、錫の酒器はお酒などの雑味を除き、まろやかな味わいにすることで知られています。抗菌性があり、熱伝導率も大変欲、また、サビや腐食に強い錫器は、錆びない、腐食しないということで縁起物とされ、贈答品として親しまれています。使い始めには中性洗剤とスポンジで洗い、保管でも同じように洗浄して布で拭いてから収納しましょう。ただし、柔らかい金属のために傷つきやすいので、研磨剤入りのクレンザーやたわしなどではこすらないようにしてください。お手入れは、光沢がなくなってきた場合は、重曹で復活させることができます。比較的温度には敏感ですので、火気の近くに置いたり、冷凍庫に入れたりしないようにしてください。また、電子レンジ、食器洗浄機、オーブンでは使用できません。

しんちゅうの食器

しんちゅう製の食器は、使用感が独特の味わいに変わるという特性の素材からできている器です。使い込むほどに経年変化を興しますので、その変化を楽しむことができます。スポンジと中性洗剤で洗浄し、布で拭いてから、使用、保管、収納してください。光沢がなくなった場合は、メタルポリッシュや磨き布などで磨けば大丈夫です。無害で無毒の緑青が発生する場合がありますが、気になる方は、お酢に、同量の塩を混ぜた液を布につけ、その緑青を磨き落としまいましょう。食器用洗剤で洗って、すすげば問題ありません。あとは、水気を拭き取って保管してください。電子レンジ、食器洗浄機、オーブンでは使用できません。

銅食器

銅食器は強い酸性やアルカリ性のものを煮炊きすると銅が化学反応を起こして変質しますので、避けてください。銅は熱伝導性に優れているため弱火または中火でのご使用をおすすめします。また、銅鍋の中に料理を残さないようにしましょう。残したままにしておくと、食品の塩分、酸、アルカリ成分などと銅が反応し、メッキがはがれてしまう場合があります。使用後は、台所用中性洗剤をスポンジに含ませて洗い、しっかりと乾燥させましょう。もしも、銅食器の汚れがひどい時は硬めのスポンジで洗ってください。また、緑青(りょくしょう)は銅に出る錆で、見た目は悪いものの、人体には無害です。でも、緑青のついた銅食器は、放っておくと、どんどんと見た目が悪化していきます。では、緑青(りょくしょう)を見つけたら、どのように対処したらよいでしょうか。以下の対処法がありますね。用意するものはお酢、塩、スポンジです。

①銅食器、銅製品の緑青以外の汚れを落とします。
②お酢と塩をスポンジにつけてこすります。

これでもあまり汚れが落ちない場合は、以下の方法をお試しください。

①爪楊枝などでこすり落します。
②柔らかい布で拭き取りましょう。

銀食器

銀食器は抗菌作用があり、美しく、ヨーロッパ貴族に愛好されました。ステンレスと違い、金属臭がなく、料理の味をころしません。唯一の難点は、空気中の酸素と銀が結合し、黒く変食してしまうことです。変食してしまった銀食器のお手入れについては「銀食器が変色!輝きを蘇らせるお手入れと磨き方」にて詳しく書いていますので、そちらをご覧ください。

鉄瓶・鉄急須(南部鉄器など)

一般に鉄瓶で作ったお湯は、甘くておいしいと言われています。また、鉄急須は保温性が高くお茶が冷めにくいのが特徴です。では、おいしくお茶をいただくために、鉄瓶・鉄急須の使用方法と保管方法をご紹介します。購入したばかりの鉄瓶・鉄急須は内部が汚れていますので、鉄瓶は水を入れてお湯を沸かし、これを3回ほど繰り返した後に使い始めるとおいしいお茶が楽しめます。・鉄急須はお湯で洗いましょう。鉄瓶でお湯を沸かすときは、蓋をずらしてください。保管する前には、蓋をとって鉄瓶自体の熱で中を乾かしてください。鉄瓶内部は酸化皮膜が作られていますので、決して洗ったりしないようにしましょう。鉄急須はホーロー加工がされていますので、直接、火にかけると破損してしまいますので気をつけてください。

どうでしょうか?いろいろな素材の食器とお手入れの方法や保管方法について簡単にご紹介しました。食器を使い分けて、充実した、楽しいライフスタイルを考えていきましょう。