たち吉

たち吉

株式会社 たち吉は、日本の京都市下京区に本社を置く陶磁器の販売会社ですが、創業は非常に古く、宝暦2年(1752年、江戸時代前期)とされています。取り扱いは和食器が多く、京焼だけでなく全国各地の陶磁器を仕入・販売しています。しかし、和食器中心と思われますが、ディナープレートなどの洋食器も手がけており、陶磁器製品の売上高が一時は270億円を超えたほどの規模で、今でも業界では突出した規模の存在となっています。また、「創作陶器」という言葉を打ち出して、「どこにも売っていない、独自で考えた商品」というコンセプトでブランディングを展開しています。通常、陶器小売商は窯元から問屋が仕入れた商品をそのまま仕入れて売ることが多かった中で、たち吉は、窯元に注文して希望の商品を作らせるという独自の方法で、人気を博しました。そんなたち吉が取り扱うブランド和食器たちを二つほどご紹介します。

雲流

一つ目は「雲流」です。これは常滑焼の伝統工芸士、加藤秋景さん制作の急須ですが、一つひとつが手作りのため、生産量は限られています。その注ぎやすさ、かたちはすばらしく、取り扱いが大変に心地のよい急須として多くの愛好家がいることで有名です。内側の茶こしには、茶葉が広がりやすいような工夫が施されています。例えば、ステンレスの網を使用せずに一体型で作られていて、非常に違和感のない仕上りとなっています。また、注ぎ口の形にも、職人のこだわりが見られます。この注ぎ口はお茶のきれが非常によいため、最後の一滴までたれず、使う人を失望させることがありません。ふたにもこだわりが見られます。茶葉が入れやすく、また、使用後には捨てやすいように広い蓋が採用されています。しかし、大きなふたは、製作時に精密に作らなければ、お茶がもれてしまい、使用に耐えない結果になってしまうことがありますが、この「雲流」の広いふたは非常にぴったりと閉まり、製作者の技術力の高さと、すぐれたクラフトマンシップを感じさせてくれます。こうした緻密な作りのために、お茶の蒸らし効果は非常に高く、冷めにくいため、お茶本来の持つ大切なうまみがよく出て、お茶はさらにおいしくなっていくことから、一杯のお茶にこだわる方には最適の急須の一つとなっています。

紅志野

たち吉では「紅志野」を美濃焼のブランドとして取り扱っていますが、美濃焼と言えば、日本で作られる6割が美濃焼と言われるほど有名な焼き物です。とくに、美濃焼の中では「志野」はバリエーションもあり、よく知られていますが、同時に、この「志野」は、偶然のアイデアから生まれた、創作性の高い、また自由を感じさせるブランドとして、多くのファンの心をつかんでもきました。もともとは、室町時代のある窯元が、白い茶碗を焼き上げようとしたものの、初めに狙った、茶の湯のための器の色がうまく出せなかったので、これは、窯元としては失敗作となってしまいました。しかし、陶工たちは、この発色の面白さに注目しました。これを新たなアイデアとして、さまざまな工夫を凝らして、ついには、鼠志野、絵志野、赤志野、紅志野などと、いろいろな表現を考え出していったのです。まさに、ここには自由な発想、創造性が発揮されていました。こうした発祥もあり、この「志野」には、たとえ偶然のひらめきであっても、それを趣あるものとして受け入れていく、美濃焼の新たな精神が閉じ込められています。この文化は、多くの愛好家たちが「志野」に愛着を感じ、愛用している主な理由の一つにもなっています。

京都のたち吉は、ヨーロッパの一流の陶磁器メーカーがそうであったように、一時期、極めて経営的に厳しい時代もありました。しかし、血のにじむような経営陣の努力と、食器を愛する多くのファンたちの支えにより、今、ここに見事に復活しました。たち吉は、これからも多くの人に愛される和食器、洋食器のメジャーブランドとして、たくさんの名作を市場に送り出してくれる、大切な経路として活躍していくことでしょう。

売られた方のお声:埼玉県三郷市M様
食器の数が増えてしまったため、引っ越しの機会に処分する必要がありました。Webで調べたところ、ウルトラバイヤーさん、福ちゃんなどが有名でしたので、どちらにも連絡してみました。対応のよさや、スピード感はウルトラバイヤーさんが圧倒的でしたので、すぐにウルトラバイヤーさんに出張をお願いしました。これもすぐに訪問してくださり、意外な高値で買い取っていただきました。まだ整理の途中ですが、買い取っていただけるものがありますのでリピートしたいと思います。